或る薩摩行 上 ~とんかつ編~
2005年 10月 10日
連休に鹿児島へ出かけた。伊万里牛の佐賀と迷ったあげく、鹿児島のとんかつを選択した。動機はそれだけである。『九州味めぐり~大人を納得させる九州・沖縄・韓国の100店~』(日本経済新聞社)を穴が開くほど読んだ。鹿児島についたのは夕方、鹿児島県歴史資料センター黎明館、西郷洞窟、城山、南州終焉の地、南州墓地をあわただしく巡った。実は西郷に興味がある。
投宿後お目当ての「味のとんかつ 丸一」にでかける。危うく閉店間際であった。本に書いてある通り、注文を聞いて目の前で肉をカットする。食後も豚肉についての大将の情熱あふれるお話を聞いた。極上の鹿児島産黒豚、しかも愛情がたっぷりと注がれたもの、不味いはずがない。ジューシー、分厚いのに柔軟、上質の豚肉だけにみられる香りと肉自体の味、さすがといえる。しかしである、なにせ350グラムにもなる巨大なとんかつである、10分も揚げるとどうしても衣が香ばしさを通り越して、やや苦い。そして硬い。僕としては200グラム程度で衣もさくっと揚げてほしい。でも店は満員、鹿児島の人々は満足しているのだからまあいいか。
ついでにこの本にある「焼酎バーよかばん」に行くが、満席。のぞいた感じは本の挿絵のような落ち着いた雰囲気ではなく、がやがや雑然とした様子、満席でも悔しくなんてあるものか。結局どっちも僕は納得とまではいかなかった。
友達に聞いた焼酎バー「S.A.O」、うまい焼酎ですっかり機嫌を直す。単純である。西郷の「敬天愛人」ならぬ「敬食愛酒」。
by mihira-ryosei
| 2005-10-10 23:20
| 旅行