硫黄島からの手紙
2007年 02月 04日
風邪が蔓延している。僕も何年ぶりかで寝込んでしまった。仲間も相次いで風邪の洗礼を受け、Q-Chews‘74の練習が中止になった。
2週間前からはじめた土日の宝が池のジョギングをやってから、前々から気になっていた『硫黄島からの手紙』を観に行った。見るべき映画だと思っていたし、見てよかった。当然、楽しくも、嬉しくもなかったけど、クリント・イーストウッド監督はじめ製作に携わったアメリカの関係者に感謝したい気分になった。映像、ストーリー展開、演出などが、なにより映画として見事であった。
栗林中将が、高い評価を受けているのは、合理主義的人道主義的立場から、玉砕などという軍人の「無駄死」、「犬死」を厳しく戒め、徹底抗戦を指導することで、日本本土の空襲を回避しようとしたことだ。しかし、はじめから負けることのわかっている徹底抗戦は、結局は、飢餓と病気に苦しむ多数の将兵を死に至らしめることでしかなかった。アメリカの将兵から見れば、勝つことが明らかな戦いで、予想外の多数の死傷者を生んでしまった戦いだ。それが戦争といえばそれまでだが、5日間で陥ちるとされていた硫黄島を36日間耐えたとして、戦争の大局からみれば、どれほどの偉大な意味があることだろう。だから、戦争は愚行なのだ。
栗林中将が、負けることがわかっていたのだから将兵の命と家族のために、あらゆる批判を覚悟で、降伏していれば、歴史に真に名を残していたかもしれない。ありえない話だけど。日本軍の降伏事例とその後の顛末について調べたくなった。
夜、息子が飯を食おうというので、出かけた。北山通りの「南山」。ここの盛岡冷麺、絶品である。というかソバアレルギーの僕にとっては、日韓問わず食べることのできるほとんど唯一の米粉の冷麺なのだ。だから、他の冷麺と比較はできないけれど、つるつるしこしこおいしいのだ。それに最近、この店は、国産牛や他の食材の仕入れについてたいそうな努力をしている。
このバカ息子に、硫黄島の話を勢いつけてやったけど、どうだかな。
by mihira-ryosei
| 2007-02-04 22:02
| 映画・音楽