韓国紀行 2007夏 ソウル三昧 3 ソルロンタン付
2007年 08月 19日
サムソン美術館 Leeum
地下鉄6号線、漢江鎮(ハンガンジン)駅に向かう。サムソン美術館Leeumが今回のテーマである。サムソン(三星)は、いうまでもなく、韓国を代表する企業集団、大財閥である。開館は2004年だが、今年の3月から予約なしで入館できるようになった。
「韓国の現代史は実に錯綜している。外勢がからみあった各種利益集団の興亡とすさまじいばかりの断絶のくりかえしだ。局外者にとって理解に苦しむほど複雑怪奇な様相を呈している。この韓国を動かしているベクトルは族閥・軍閥・財閥の三つに要約できる。・・・・三つのうち、軍閥・財閥の二つは日本の影響を強く受けた。良きにつけ、悪しきにつけ、日本の影響は韓国の隅々まで、いまなおしみこんでいる。韓国の軍閥・財閥は、かつての日本のそれとあまりに似ている。しかも韓国ではその矛盾、欠点がさらに拡大再生産された。韓国は軍閥・財閥の二つを原色的に模倣した。韓国は日本よりもダイナミックだ。バイタリティがある。模倣したものでも日本人にどぎつく映る。だがルーツは日本だ。」(『韓国の族閥・軍閥・財閥』池東旭 中公新書)
日本が残した「財産」を米軍政庁から払い下げ、それを元手に、朝鮮戦争以後の復興で大きくなり、日本の借款で太りと・・・・、財閥の形成過程と今日のありようは、あまりにも大きな考察テーマなのだ。いわゆる「資本の本源的蓄積」過程は、どの国においても、剥き出しで、醜悪で、残忍なものだが、韓国においてはあまりに短期間で進行したため、いっそう激しい。
なかでもサムソンは韓国の中でも、最大級の財閥。かつては、「韓国経済ではなく、サムソン経済」とまで言わたこともある。韓国では、2つ、3つの財閥の売り上げだけで、国家予算を超えてしまうのだから。
美術館のひとつやふたつ、ただで開放してもあたりまえなんだよ!・・・ どこか、「地下鉄1号線」引きずっているかな。
このサムソン美術館には、国宝36点、宝物96点などの古美術、現代芸術家の作品など約15,000点が収蔵されている。しかも、建物は、スイスとフランスの世界的な建築家によるものである。
確かに、素晴らしい作品群、特に古美術には深い感銘を受けた。また、デジタルガイド(無料)を聞きながらの鑑賞は興味深かった。機材を首からぶらさげて作品の前に立つだけで、自動的に日本語の解説が始まるのである。液晶画面にも、作家の情報など文字情報が提供される。さすがです。結局、居心地の良さから、3時間もいてしまった。一人13000ウォンは、決して高くはない。韓国の芸術、現在芸術を理解するうえで、最高の美術館といえるであろう。
旅の料理 3 味成屋(ミソンオク)のソルロンタン
韓国において、肉食が本格化するのは、蒙古の侵略の影響ではないかとの説があるが、このソルロンタンは、そうやって伝えられた料理といわれている。牛の骨、肉、内臓などを何時間も煮込んで、煮た肉のスライス(スユク)、素麺、ご飯などを入れて、塩・コショウ、粉唐辛子、ネギで食べる。決まって、白菜と大根にキムチが添え物になっている。
牛独特の香り、旨み、コクがあり、あっさりもしており、日本人には馴染みやすい韓国料理といえるのではないか。
ミョンドンのミソンオクは、一番おいしいものとはいえない、むしろ普通のおいしさかもしれない。僕の韓国滞在史の中で、定番になってしまったからとりあげる。最近は、清潔が売り物のファストフード店のような、ソルロンタンの店も増えており、それもいいのだが、いかにも昔のソルロンタン屋の風情を醸し出しているこの店もやはり捨てがたい。
地下鉄6号線、漢江鎮(ハンガンジン)駅に向かう。サムソン美術館Leeumが今回のテーマである。サムソン(三星)は、いうまでもなく、韓国を代表する企業集団、大財閥である。開館は2004年だが、今年の3月から予約なしで入館できるようになった。
「韓国の現代史は実に錯綜している。外勢がからみあった各種利益集団の興亡とすさまじいばかりの断絶のくりかえしだ。局外者にとって理解に苦しむほど複雑怪奇な様相を呈している。この韓国を動かしているベクトルは族閥・軍閥・財閥の三つに要約できる。・・・・三つのうち、軍閥・財閥の二つは日本の影響を強く受けた。良きにつけ、悪しきにつけ、日本の影響は韓国の隅々まで、いまなおしみこんでいる。韓国の軍閥・財閥は、かつての日本のそれとあまりに似ている。しかも韓国ではその矛盾、欠点がさらに拡大再生産された。韓国は軍閥・財閥の二つを原色的に模倣した。韓国は日本よりもダイナミックだ。バイタリティがある。模倣したものでも日本人にどぎつく映る。だがルーツは日本だ。」(『韓国の族閥・軍閥・財閥』池東旭 中公新書)
日本が残した「財産」を米軍政庁から払い下げ、それを元手に、朝鮮戦争以後の復興で大きくなり、日本の借款で太りと・・・・、財閥の形成過程と今日のありようは、あまりにも大きな考察テーマなのだ。いわゆる「資本の本源的蓄積」過程は、どの国においても、剥き出しで、醜悪で、残忍なものだが、韓国においてはあまりに短期間で進行したため、いっそう激しい。
なかでもサムソンは韓国の中でも、最大級の財閥。かつては、「韓国経済ではなく、サムソン経済」とまで言わたこともある。韓国では、2つ、3つの財閥の売り上げだけで、国家予算を超えてしまうのだから。
美術館のひとつやふたつ、ただで開放してもあたりまえなんだよ!・・・ どこか、「地下鉄1号線」引きずっているかな。
このサムソン美術館には、国宝36点、宝物96点などの古美術、現代芸術家の作品など約15,000点が収蔵されている。しかも、建物は、スイスとフランスの世界的な建築家によるものである。
確かに、素晴らしい作品群、特に古美術には深い感銘を受けた。また、デジタルガイド(無料)を聞きながらの鑑賞は興味深かった。機材を首からぶらさげて作品の前に立つだけで、自動的に日本語の解説が始まるのである。液晶画面にも、作家の情報など文字情報が提供される。さすがです。結局、居心地の良さから、3時間もいてしまった。一人13000ウォンは、決して高くはない。韓国の芸術、現在芸術を理解するうえで、最高の美術館といえるであろう。
旅の料理 3 味成屋(ミソンオク)のソルロンタン
韓国において、肉食が本格化するのは、蒙古の侵略の影響ではないかとの説があるが、このソルロンタンは、そうやって伝えられた料理といわれている。牛の骨、肉、内臓などを何時間も煮込んで、煮た肉のスライス(スユク)、素麺、ご飯などを入れて、塩・コショウ、粉唐辛子、ネギで食べる。決まって、白菜と大根にキムチが添え物になっている。
牛独特の香り、旨み、コクがあり、あっさりもしており、日本人には馴染みやすい韓国料理といえるのではないか。
ミョンドンのミソンオクは、一番おいしいものとはいえない、むしろ普通のおいしさかもしれない。僕の韓国滞在史の中で、定番になってしまったからとりあげる。最近は、清潔が売り物のファストフード店のような、ソルロンタンの店も増えており、それもいいのだが、いかにも昔のソルロンタン屋の風情を醸し出しているこの店もやはり捨てがたい。
by mihira-ryosei
| 2007-08-19 15:25
| 韓国なんでも