オギヨディオラは韓国の舟漕ぎの掛け声。1958年生まれのオヤジが趣味という数々の島々をたゆたいながら人生の黄昏に向かっていく


by mihira-ryosei
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幻惑と誘惑の魔窟 長安古美術商街 

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 そこは、地下鉄5号線、踏十里(タプシムリ)駅から、徒歩ほどなく、のところにある。韓国骨董の宝庫にして、あくまでもいかがわしいガラクタの密集庫、チンチャ(本物)かカッチャ(贋物)か、幻惑と誘惑の魔窟、長安古美術商街(チャンアンコミスルサンガ)である。古い雑居ビルが3棟ある。ここへはじめて来て、小さな李朝の壺を買ってから、9年になろうか。4度か、5度は訪れている。今回は、陶磁器というより、膳に興味があった。
 いきなり、入った店では、店主がしゃがんで、床に俵壺並べてブラシで磨いている、と思いきや、よく見ると赤土のようなものを水に溶かして擦り込んでいる。そんな露骨に偽物をつくらなくてもいいじゃないか。この店、贋物の専門店、昔にも来たことがあるような気がした。
 ここの店主によれば、最近は、韓国オリジナルの品が払底して、中国モノを、韓国モノと偽って売っている業者が多いそうだ。この古美術商街も多くが、中国モノだという。だから、贋物を買えというのはそれはそれで変だな。ただ、それは他の店でもよく聞いた。当然、中国ものは仕入れ値が安いので、利益が大きい。仁寺洞(インサドン)では、堂々と良い中国モノを売っている店もあるのだが、たいがいは曖昧に売られているようだ。今回は、陶磁器狙いでないからいいけど。

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 ただし、李朝の膳は、なかなかの人気で、「オリジナル」は相当高いそうで、50万ウォンを下る安いものは、「直し」と考えた方がいいとのこと。民具のたぐいも油断ならない。そうか、今、円は安いし、50万ウォンともなると、きついなあと思いながら、ある店で、目にとまったのが、桐の硯床である。昔、韓国の貴族、両班(リャンバン)が筆や、硯や、水滴、紙を収納していたもの。膳と違って、こういうものは庶民が使うものじゃないから値打ちがあるというのが、店のPR。はっきり言って、気に入った。もうひとつ、一枚板で、台の部分も彫り込んでつくった手ごろな餅台とあわせて、苛烈な値切り交渉をして、手に入れた。
 家に帰り、梱包を解くまで、不安の念が離れなかった。とんでもないガラクタではないだろうか。なんだかんだいっても、店が暗かったしな、あ~あ、また失敗したか・・・・・。
 
 今はというと、すっかり大切な部屋の風景になっている。眺めていると、なんとなく落ち着く。そんなだから、魔窟通いはなかなかやめられない。

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旅の料理5 テンジャン&ピビンパップ

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 江南(カンナム)の教保(キョボ)生命ビルの裏側一角にあるこの店は、昔から僕のお気に入りである。今回、久しぶりに訪ねてみた。シゴレテンジャンつまり田舎味噌汁が売り。醗酵しすぎてすえたようになってしまった香り、とろっとした食感、濃厚な味が魅力である。それに、ケランチム(茶碗蒸し)がつく。そして、ビビンパップ。ステンレスの器に、底にサンチュなどの生野菜を敷き、さらに、キムチなどのおかずを入れ、ご飯を放り込み、ごま油を注ぎ、コチュジャンを加え、ぐだぐたグダグダひたすらかきまわす。味噌汁も、たらたらいれてみたりなんかしちゃったりして~~~。
 おいしい。これで5000ウォンです。反則です。


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by mihira-ryosei | 2007-08-25 22:43 | 韓国なんでも
カジャ!!ヤグジャン!! (野球場へ行こう) 


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 前回がサムソン美術館だったからというわけでもないが、今回は財閥対決、といっても、売上高ではない。プロ野球である。韓国のプロ野球は、現在8球団によるリーグ制である。その8球団、すべてが財閥、および財閥系である。財閥規模順で言えば、①サムソン(三星)・ライオンズ、②ヒョンデ(現代)・ユニコーン、③LG・ツインズ、④SK(鮮京グループ)・ワインバンズ、⑤ロッテ・ジャイアンツとなる。あと順位はわからないが、トゥサン・ベアーズ、ハンファ・イーグルスも財閥であり、キア・タイガーズも現代自動車グループである。もしも、日本の野球チームが、三井ドラゴンズ、住友タイガース、三菱ジャイアンツ、安田スワローズならば、なんとする!なんともしないか・・・。
 というわけでもないが、久しぶりに韓国プロ野球を見に行った。本当は、行ったことのない、仁川で、SKとハンファの試合を見たかったけど、やや遠いのでくじけてしまった。SKで面白いのは、投手コーチが加藤初、打撃コーチが大田卓司、守備コーチが福原峰夫と、日本人を三人も起用していることである。現在首位独走中である。でも、結局、行き慣れた、ソウルのチャムシルスタジアムに向かった。地下鉄2号線、総合運動場下車。
 日曜日のゲームなので、1000ウォン高くて、内野席7000ウォン。ミュージカル地下鉄1号線が3万ウォン、サムソン美術館が1万3000ウォンであることを考えると、かなり安い娯楽といえよう。
 
タイガースファンの僕が、ジャイアンツを応援

 プサンを本拠地とするロッテ側の内野席に座った。東京なんぞ大阪、そのノリで、ソウルよりプサンを選択した。それにプサンの訛りはなんとなく、関西語に似ているし。
 それにしても、日曜日、しかも首都の試合というのに、お客さんは少ない。翌日の新聞によると、1万779名とある。ちなみに、仁川の方は、6481名。結局どっちも降雨でコールドゲームになったから、天気の心配があったとはいえ、野球ファンとして寂しい。
 でもその寂しさを吹き飛ばすかのように、応援団のステージ前を中心に集まった観客は熱い。僕は、たった一人応援をリードする「応援団長」に乗せられ、チアーリーディングの美女にメロメロになってしまった。ソウルは地方出身者が多いためか、今回もロッテ側の観客数が圧倒している。まるで神宮のヤクルト対阪神戦のようだ。帰りのタクシーで、運転手さんに聞くと、ソウルでは特にプサンつまりロッテ、全羅道つまりキアタイガースの応援はいつも多いそうだ。

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 応援は、港町プサンを思わせるものも取り入れられている。写真のように応援団長が、途中で、タムケンのように裸ではないが、文字を大きく書いた白シャツを着たが、これは、プサンカルメギ(プサンカモメ)を歌おうという合図。まさに大合唱。あるいは、舟を漕ぐしぐさをしながら、みんなで右へ左へと運動する応援もある。なんと「オギヨディオラ」と叫びながら。(当ブログとしても協賛せねば)
 試合の方は、ロッテが降雨コールドながら、圧勝した。僕もなんとなく気分がよかった。でも、ジャイアンツという名前、なんとかなりませんかね。

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旅の料理4 ピンデトックとスンデ @カンジャンシジャン(廣蔵市場)

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 朝、ホテルでテレビを見ていたら、市場の生中継をやっていた。アナウンサーと市場の人たちとの掛け合いが、めちゃくちゃに楽しくてつい見てしまった。気になったので、フロントで、カンジャン市場はどこかと聞くと、東大門じゃないかというので、その日のうちに行ってみた。

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 まずはンデトック。テレビでもやってたけど、亭主が煙草吸いながら、石臼で豆を潰し、オカンが、鉄板でひたすら焼いている。大変な人気である。モヤシがたくさん入っているのだが、これがいける。

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 いまひとつは、スンデ。豚の腸に、豚の血、肉などと春雨などを詰めたもので、もともとは北の料理といわれている。たまらないほど好きだという人もいるようだが、僕は、また食べたいとは思えない。決してまずいわけではないけど。
 ピンデトックとスンデ、これをマッコルリで流し込んで、球場に向かったのであった。

 
by mihira-ryosei | 2007-08-23 01:51 | 韓国なんでも
 サムソン美術館 Leeum

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 地下鉄6号線、漢江鎮(ハンガンジン)駅に向かう。サムソン美術館Leeumが今回のテーマである。サムソン(三星)は、いうまでもなく、韓国を代表する企業集団、大財閥である。開館は2004年だが、今年の3月から予約なしで入館できるようになった。

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 「韓国の現代史は実に錯綜している。外勢がからみあった各種利益集団の興亡とすさまじいばかりの断絶のくりかえしだ。局外者にとって理解に苦しむほど複雑怪奇な様相を呈している。この韓国を動かしているベクトルは族閥・軍閥・財閥の三つに要約できる。・・・・三つのうち、軍閥・財閥の二つは日本の影響を強く受けた。良きにつけ、悪しきにつけ、日本の影響は韓国の隅々まで、いまなおしみこんでいる。韓国の軍閥・財閥は、かつての日本のそれとあまりに似ている。しかも韓国ではその矛盾、欠点がさらに拡大再生産された。韓国は軍閥・財閥の二つを原色的に模倣した。韓国は日本よりもダイナミックだ。バイタリティがある。模倣したものでも日本人にどぎつく映る。だがルーツは日本だ。」(『韓国の族閥・軍閥・財閥』池東旭 中公新書)

 
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   日本が残した「財産」を米軍政庁から払い下げ、それを元手に、朝鮮戦争以後の復興で大きくなり、日本の借款で太りと・・・・、財閥の形成過程と今日のありようは、あまりにも大きな考察テーマなのだ。いわゆる「資本の本源的蓄積」過程は、どの国においても、剥き出しで、醜悪で、残忍なものだが、韓国においてはあまりに短期間で進行したため、いっそう激しい。
 なかでもサムソンは韓国の中でも、最大級の財閥。かつては、「韓国経済ではなく、サムソン経済」とまで言わたこともある。韓国では、2つ、3つの財閥の売り上げだけで、国家予算を超えてしまうのだから。
 美術館のひとつやふたつ、ただで開放してもあたりまえなんだよ!・・・ どこか、「地下鉄1号線」引きずっているかな。

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 このサムソン美術館には、国宝36点、宝物96点などの古美術、現代芸術家の作品など約15,000点が収蔵されている。しかも、建物は、スイスとフランスの世界的な建築家によるものである。
 確かに、素晴らしい作品群、特に古美術には深い感銘を受けた。また、デジタルガイド(無料)を聞きながらの鑑賞は興味深かった。機材を首からぶらさげて作品の前に立つだけで、自動的に日本語の解説が始まるのである。液晶画面にも、作家の情報など文字情報が提供される。さすがです。結局、居心地の良さから、3時間もいてしまった。一人13000ウォンは、決して高くはない。韓国の芸術、現在芸術を理解するうえで、最高の美術館といえるであろう。

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 旅の料理 3 味成屋(ミソンオク)のソルロンタン

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 韓国において、肉食が本格化するのは、蒙古の侵略の影響ではないかとの説があるが、このソルロンタンは、そうやって伝えられた料理といわれている。牛の骨、肉、内臓などを何時間も煮込んで、煮た肉のスライス(スユク)、素麺、ご飯などを入れて、塩・コショウ、粉唐辛子、ネギで食べる。決まって、白菜と大根にキムチが添え物になっている。
 牛独特の香り、旨み、コクがあり、あっさりもしており、日本人には馴染みやすい韓国料理といえるのではないか。
 ミョンドンのミソンオクは、一番おいしいものとはいえない、むしろ普通のおいしさかもしれない。僕の韓国滞在史の中で、定番になってしまったからとりあげる。最近は、清潔が売り物のファストフード店のような、ソルロンタンの店も増えており、それもいいのだが、いかにも昔のソルロンタン屋の風情を醸し出しているこの店もやはり捨てがたい。

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by mihira-ryosei | 2007-08-19 15:25 | 韓国なんでも
ミュージカル 地下鉄1号線 


キム ミンギ 

今回も、地下鉄の話になる。
僕が、わずか三週間の韓国留学中、下宿生活をしていたのは、1996年8月、延世(ヨンセ)大学のある新村(シンチョン)であった。この夏、ヨンセ大学に籠城した学生たちを警察、軍が包囲するという実に物々しい状況であった。僕はカタコト以下の韓国語で、ヨンセ大学の学生たちと
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下宿生活をしていた。金敏基(キム・ミンギ)というシンガソングライターを知ったのは、学生たちとの交流を通じてであった。独裁政権下で放送禁止となった「アチミスル」(朝の露)という、今や第二国家といってもいい名曲をつくった人である。4集まである彼のCDを僕は帰国してから繰り返し聞いた。
 それから、ふたたびキム・ミンギの名前を聞くことになったのは、ミュージカル「地下鉄1号線」の演出家として、である。実はこのミュージカルは、初演が1994年というから、すでに僕が留学しているときには上演されていたのだが。なんと3000回を数える超ロングランとなっている。旅の前に、なんとなくこのミュージカルの存在を再認識し、見てみようと思った。当日の午後電話で予約してみた。土曜日は、4時と7時半の2回公演だが、すでに4時は完売とのこと、7時半
のにする。場所は、大学路(テハンノ)。小劇場が林立する芸術とパフォーマンスの街である。電
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話予約を当時までにしなかったのは、テハンノでの苦い思い出がある。留学しているときに、小劇場でミュージカルを見た。前日から友人に予約してもらい、劇場に向かった。地下の小劇場だったが、ロビーは大変な人だかりで、これは活気があるものが見られそうだと期待していたのだが、いざはじまってみると、客席には数人しかいない。そう、ロビーにいたのは、出演者、スタッフだったのだ。なんとも辛い数時間であった。お互いに・・・。そんなことがあったので、グズグズしていたのだ。なにせ3000回もやっているんだから、もう見る人はいないか、なんて考えて。キム・ミンギに失礼だった。火、木、土が日本語字幕、水、金、日が英語字幕。劇場では、背景説明と登場人物の解説が日本語で配られる。なにせ、韓国の歴史を背景に、韓国の匂いと色彩と音に満ちたミュージカルなので、予備知識があったほうが楽しめるとは思う。
 韓国の最も古い地下鉄1号線は、各地からの鉄道の中心、ソウル駅の地下を走る。停車駅は、今更ながら、個性的な街が多いなと感じる。清涼里(チョンニャンニ)駅もそのひとつで、ここには有名な売春地帯がある。

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 ミュージカルは、期待以上に素晴らしいものだった。韓国を、ソウルを理解する、最高の教科書でもある。
 「登場人物は、中国からやってきた朝鮮族の少女、混血児、浮浪者、売春婦など、韓国社会のいわゆる「底辺にいる少数者たち。彼らを通して韓国社会の矛盾、時代の痛みが、風刺とユーモアで描かれています。ヘビーな展開や、時にはグロテスクですらある表現に、はじめは戸惑うこともあるかもしれませんが、絶望の中から希望を失わず生きていこうとする姿にきっと深い感動を覚えることでしょう。」(KONEST http://www.konest.com)  
それにしても、本当によく笑ったなあ。音楽もよかったなあ。なにもかもがどうしようもなく、韓国で、ソウルなのだ。 
 もう一度見たい。
  
ちなみに、劇中にも紹介されていたが、地下鉄1号線は、100%日本の会社の設計施工である。日韓国交樹立にもとづく円借款による。建設後しばらくは、日韓の癒着、巨大な利権が動いた疑惑があると風説が絶えなかった。

旅の料理2 韓牛焼肉

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 韓国で、安くて美味い牛肉を食べることは難しくなった。韓牛専門店という看板を掲げる店は、高い。なんだかんだいって、アメリカ産を美味しく食べていたんだなと実感する。
 今回、韓国の知人たちがご馳走してくれた牛焼肉店。本物感をだすために、コックがテーブルまで来て目の前で肉を捌いてくれた。味はそこまでするだけあって、なかなかのもの。
 カンガンスルレ 駅三(ヨクサム)店 電話02-567-9233
*ヨクサムは、ミュージカル地下鉄1号線で、さんざんおちょくられていた、金持ちの象徴、江南地区のど真ん中。


 
 
by mihira-ryosei | 2007-08-18 13:26 | 韓国なんでも
原点のソウル 未知のソウル

 休暇を待ちわびての韓国旅行。はじめは、知らないところ、田舎の古窯めぐり、陶片拾いでもと考えをめぐらせていたが、結局、挫けてしまった。それでなんのことはない。ソウル3泊4日の旅となってしまった。韓国に来はじめた頃の原点に戻りつつ、未知のソウルにも触れた旅となった。

地下鉄2号線から始めよう

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 地下鉄から始めるとしよう。ソウルを語るのに、地下鉄は必須のテーマである。緑色が印の地下鉄2号線。ソウルを循環していることが特徴で、山手線や環状線が地下に潜ったようなものである。写真、偶然乗り込んだ車両で、「e-Train」だったかな、とにかくキャンペーンをやっていた。座席の前に台を据え付けて、パソコンを置き、インターネットを楽しもうというのである。そこまでして・・・・とも思うが、そこが韓国なのだ。ところで、どうしてこの国は、地下鉄の中でも、エレベーターの中でも、携帯電話が通じるのだろう。まあ昔、ソウルのサウナ風呂の中でも、携帯電話で話していたおじさんがいたから、驚くに値しないかも知れないが。このキャンペーン、またいついつやりますとアナウンスして、スタッフの兄ちゃん、姉ちゃんが慌しく、機材を片付けて、どっかの駅で降りてしまった。
 「e-Train」か、なんか知らんが、久しぶりに乗ったら、運賃はえらい上がりようだ。しかも、新千ウォン札が自販機では使えないから、切符買うのはひと苦労。みんなはというとクレジットカードで、ピッピと通っていく。やっぱり極端なとこだ。僕は一定の地下鉄使用回数を見越して、「交通カード」1万ウォン分を買った。これを改札の機械にかざすと、ピッピいいよりますねん。
 変わらないのは、地下鉄の物売りや物乞いの多さであった。バンダナ、色違い2枚セットで1000ウォン。おっちゃんの熱弁にもかかわらず、僕の車両ではひとつも売れなかった。カッターシャツ姿にバンダナは似合わないよ。天気が良くなかったので、傘売りもいた。真面目なおっちゃんだった。でも、「市場では5000ウォンするものが、なんと!3000ウォン!」といっても、割安感がない。しかも「外は雨です」といいながら売るのだが、後から乗って来た客は、雨が止んでいるのを知っているのだ。それに雨のうちに乗り込んだ人たちの多くは当然、傘を持ってきている。僕もそうだ。同じ傘をコンビニで、8000ウォンで買っていた。
 他に、野菜切りの実演をするおっちゃんもいたが、売れたのを目撃したのは、ペットボトルを入れる保冷・保温袋であった。色違い、サイズも変えて、1000ウォン。これは僕の車両で2つ売れていた。僕も買えばよかったと少し後悔した。
 
戦慄の旋律

しかし今回は、衝撃の出会いがあった。ギター弾きのおっちゃんである。ロールケーキのように小さなアンプ、そのうえに、1ウォンも入っていない栄養剤(バッカス)の箱。かれも小さな椅子に座って、ぼろぼろのチューニングも怪しいギターをかき鳴らし、朗々と歌うのである。韓国語にときおり、アモーレなどと外国語も挟みながら、演歌のような、浪曲のような、バラードのような、ポップスのような不思議な旋律を。
 しかも、歌い終わったあとに、決まって、指をぴんと伸ばして、腕を降り、ぴたっとどこか一点を指して、「シュエイッ!!」とまじないの様な行為をする。まさに、戦慄の旋律。なんとも気色悪い。ソウルの地下鉄の話である。本当である。
 ソウルの地下鉄でもうひとつ変わらないのは、席を老人に代わる若者が多かったこと。これはうれしかった。

旅の料理1 参鶏湯 サムゲタン

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 今回のコリアンフードは、基本の基本、僕の原点、参鶏湯(サムゲタン)を。もう説明が必要ないぐらいに、日本においてもすっかり市民権を得ている。韓国を代表する夏バテ防止の料理である。
 写真は、明洞(ミョンドン)の「栄養センター」のサムゲタン。スープを無愛想なほどあっさりしている。明洞なら、人参酒の付いてくる「百済(ペクチェ)サムゲタン」や「高麗(コリョ)サムゲタン」などの老舗もある。こってりが、お望みなら、ノムヒョン大統領が好む「土俗村(トソクチョン)」もある。
 僕は、特においしいからというわけでもないが、「栄養センター」に来ることが多かった。それにここでは、「トンタク」というローストチキンが食べられるのだ。このトンタクのポスターが店に貼ってあり、日本語でも、「ベビーチキンサイズ」もメニュー化されたと書いてあった。丁寧で結構だが、肝心のサムゲタンなどメインのメニュー表は、日本語まったくなし、ハングルのみのままであった。

 食べ方は、鶏をザクザクとほぐすようにして、少しづつ固まりをさらに運んで、食べる。身は塩をチロッとつけて食するとよい。
by mihira-ryosei | 2007-08-17 23:51 | 韓国なんでも
蕎麦アレルギーを背負ったものの宿命

 子供の頃から蕎麦アレルギーである。(この蕎麦という漢字が、苦手で、自ら憎悪をかきたてるためにわざと使っている)ありがたくもなく、祖父から受け継いだものである。だから蕎麦には縁が無い。どころか、忌避してきた。麺蕎麦のみではなく、蕎麦ボーロも、蕎麦殻の枕も、蕎麦茶も、蕎麦湯もである。蕎麦焼酎は毒薬、劇薬である。蕎麦をゆがいた笊とお湯で、うどんまでを犯すような行為は、絶対認められない。僕の知人にも蕎麦アレルギーがいて、かわいそうなことに、彼は友人たちから、「アレルギーなんてのは気持ちの問題」と、薩摩白波と蕎麦焼酎雲海の中味と瓶を入れ替えられ、飲まされた。悲劇的にも彼は昏倒し、救急車で病院に運ばれた。これは殺人行為ではないのか。同じアレルギー保持者として、許すことはできない。ちなみに、フランスパンにも、蕎麦の実が乗っかっていたりするし、蕎麦のクレープにいたっては言語道断、車道横断、お医者の診断、大陸間弾道弾である。(筒井康隆のパクリです)

 だから、もし戦争放棄に加えて、蕎麦の永久放棄も追記するのなら、「憲法改正」にも喜んで賛同する。ついでに、非核三原則も、非核・非蕎麦三原則に変更してくれることが望ましい。「もたず、つくらず、もちこませず」。なんなら、戦前の「治安維持法」のように、蕎麦の輸入、製造を目論む、あるいは思考しただけでも、犯罪とできるような法律をつくって欲しい。そばをつくったものは、国外追放!!だけでは飽き足りなくて、トロツキーのようにメキシコまでも追いかけて、そして・・・・・。
 やめよう、妄想は。

韓国までもが
 蕎麦に関しては、僕の愛する韓国までもが、僕を奈落の底に突き落とす裏切り行為を平気でやっている。冷麺である。普通の冷麺は蕎麦含有量が70%もあるという。恐ろしいことである。だから、冷麺も辛い真っ赤なピビン麺も食することができない。ざる蕎麦を食べられなくてもなんともないが、冷麺は悔しい。日本で韓国冷麺を食べることができるのは、京都・北山にある「南山」である。ここの麺は、盛岡冷麺、米粉である。しこしこ歯ごたえが実にうまい。感心な店である。めでたく憲法が改正されれば、大変な発展を遂げることであろう。

画期的メニュー発見

 で、最近、大変な発見があった。『韓国語ジャーナル21』2007年夏号に、「チョン テキョン先生の体にいい韓国料理」という記事がのっていた。なんと、ビビンミョンをそうめんでつくるというのである。その手があったのか!!なんで気づかなかったのか・・・。
脳天チョップを食らった感覚である。チョン先生、今回のメニューは体にいいだけでなく、蕎麦アレルギーを救う画期的メニューですぞ。
 というわけで、つくってみた。

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 ①フライパンに、サラダ油、ニンジンをいためる。(実際の記事では戻したシイタケもニンジンとは別にいためるとあるが、愚息が嫌いなため使用せず)②そうめんをゆで、冷やして、水分を切る。③そうめんをタレときゅうりで和える。(今回はセロリの葉を加えた。しゃきっとした香菜はいいと思う)④すりゴマとごま油を加えて混ぜ合わせる。⑤錦糸卵は、めんどうくさいからつくっていない。
  タレは大さじ、コチュジャン3:だししょうゆ1:砂糖1or1.5:酢2。4人前、そうめん4わの分量である。しかし、うれしがって毎週作っている僕の経験では、タレはもっとつくった方がよい。それに、写真、野菜が多すぎるように見える。そのとおり。でもおいしかった。すっぱい、辛い、ちょっと甘い。野菜も食べて、ヘルシー。
 こんな美味い麺を、蕎麦アレルギー者を排除して食べていたんだ、韓国人は・・・。油断ならない。

 ちなみに、ビビンミョンのビビンは、動詞ピビダ、「混ぜる」の意味で、ミョンは麺。したがって、ピビンパップは混ぜご飯となる。
by mihira-ryosei | 2007-08-06 01:16 | キッチン