オギヨディオラは韓国の舟漕ぎの掛け声。1958年生まれのオヤジが趣味という数々の島々をたゆたいながら人生の黄昏に向かっていく


by mihira-ryosei
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中津の夜とシジミの唐揚げ

 夜、中津の駅前を歩いた。食堂や飲み屋が奇妙に展開している。通りに面して、あるいは路地裏にと、あちらこちらに店が小さく束ねられているようだ。繁華街というにはすき間が多すぎる。これは海に面した中津城を基点に、扇型に町並みが形成されたことと関係があるようだ。中津、福沢諭吉の町である。そんなことには関心も無く、名物の鱧を食べにきたのだ。ホテルで訊ねると、「瑠璃京」でコース料理を出すとのこと。行ってみたが、もう料理はおしまい。まだ8時半ごろなのに。その後が困った。どの店の玄関にも名物であるはずの鱧という文字を覗うことができない。仕方なく、沢山の客で賑わっている「創作炉端焼き」の店に入った。鱧は無い。適当に食べたが、適当なうまさ。ただ、地元の大分の誇る焼酎「耶馬美人」はふんだんにありそうだ。なんだか物足りなくて、前に歩いているときに気になっていた「英彦山」(ひこさん)という店に戻る。良さそうに思ったのだが、馴染み客で固められているようで入りにくかったのだ。勇気を出して暖簾をくぐる。入った瞬間に後悔した。お腹を空けておけばよかったと。いい店だ。

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 「ゴーヤの炒め物」とこの店のオリジナル「シジミの唐揚げ」を注文する。お酒はもちろん「耶馬美人25度」。シジミは唐揚げというより、乾煎りといった方が近いかもしれない。シジミを殻ごと中華鍋で煎るのである。醤油とニンニクのスライスだけを加える。殻ごと口の中に放り込んで、しゃぶりながら身を食べる。なかなかいける。「しゃぶる」は大分弁では、「つわぶる」なのか、「すわぶる」なのかで、ご主人とお客とで揉めていた。可笑しい。
 僕は店主が無愛想な店はどんなにおいしい店でも好きじゃない。中田ヒデもイチローも好き嫌いで言えば、好きじゃない。

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 鱧は祇園祭の今頃はごっそり京都に持っていかれて、随分と値が上がるそうだ。地元の人が食べられない名物なのだ。ただし鱧は中津では年中食べられるので、価格面で食べやすい季節もあるのだろう。
 ご主人の話によれば、洋食を志して名古屋に修行に行った先が、和食だったそうである。そこを脱走して大阪でまた修行に励んだ話も聞かせてもらった。和食メニューの中にある「ポークチャップ」や「プレーンオムレツ」に、ご主人の修行生活が滲みで出ている。それにしても、隣の客が食べていた「ポークッチャップ」はやたらと美味そうだった。 
 また、来よう。
 
 ※写真の書は、お店のマークともいえるもので、劉春吉という作家が昭和35年に書いたものである。
by mihira-ryosei | 2006-07-18 00:15 | 旅行