オギヨディオラは韓国の舟漕ぎの掛け声。1958年生まれのオヤジが趣味という数々の島々をたゆたいながら人生の黄昏に向かっていく


by mihira-ryosei
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韓国紀行 2006夏 その2 テベク(太白)の黄色い牛の巻

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 カンウォンド最初の目的地は、御台山(オデサン)国立公園。豊かな自然とともに、寺院が散在し、石塔、鐘などの文化財がある。が、朝鮮半島はそのすべてが戦場とされてきた歴史がある。それについては、日本にも多くの責任がある。だから、古いものは残ってはいるが、少ない。またそれらがたとえ価値あるものだとしても、建造物がコンクリートだったりして興ざめすることがある。そのうえ、京都から来た人間は決定的な悪癖がある。他の文化財を軽んじることである。「この鐘やったら平等院のほうが立派やね・・」と、始末に悪い。せっかくW君、R君のナビなのに、さぞかし乗り気薄の表情をしていたんだろうな。
 e0065380_2215675.jpg次の目的はオジマウル。漢字では奥地村と書く。W君がわざわざ今回のために取り寄せてくれた本、1997年出版の「オジマウル探訪」を頼りに行く。三ヶ所のオジマウルを訪ねた。(写真上はそのひとつ) いずれも本にあったような実際に人が住む家、村ではなく、保存建造物になってしまっていた。しかし、それでも趣のあるものであった。降りしきる雨の中、一同、カメラのシャッターを押し続けていた。
(写真左は、オジマウルそばのトタンのつり橋。スリルがありました)










 
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さあて晩飯である。テベク(太白)という町の一番新しいモーテルにチェックイン。韓国では、いわゆる「ラブホ」と普通の宿の境が曖昧である。部屋はきれいだけど、そんな感じもした。テベク(太白)は、映画にもなった韓国の大河小説「太白山脈」を連想させる。日本から解放された朝鮮半島が、左右の激烈な衝突の舞台となり、次々と家族、恋人が引き裂かれていく悲劇。日本語訳でも10巻で出版されている。僕は2巻でリタイヤしてしまった。そんなことはどうでもよくて、目当ては牛肉なのだ。これもW君の調査の成果、テベクのファンウ(黄牛)である。たぶんテベクまででかけてファンウを食べる人はいないと思うけど、店の名前は、「ペダル シギョク シルビ シクタン」、漢字にそのままあてはめると配達食肉実備食堂となる。要するにお肉屋さ
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んなのだ。BSE問題以来、韓国における牛肉の質の低下は目を覆うばかりである。韓牛といいながら、これまでいかに「おいしい米国産牛肉」に頼ってきたのかが、皮肉にも露呈されてしまったのではないか。だから本当に国産のおいしい牛肉は貴重品である。店は地元の人たちで満員。カルビを注文する。一人前21,000ウォン、ソウルだとこの倍出してもこんな美味い肉は口に入らない。日本の高級肉のような、霜降り肉ではない。つまり「あなた好みの肉になりたい」などと媚びるところがない、作為のない自然な肉とでもいおうか。歯ごたえがいい、香りがいい、味がいい。カンウォンド特有のあっさり辛いキムチも、この肉によく合う。仕上げは、素麺とテンジャンチゲ(味噌鍋)で。冷麺ではなく素麺というのはカンウォンド式なのか。
 
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 食後、モーテルの一室に集まって、R君の指導よろしく習字大会。奇妙な教養風景。彼は若くして書道と漢詩の大家なのだ。その後、オジサンだから当然再び外に出る、飲みに出る。飲みにいった店にいた、気の強い大阪の女の子のような感じの女性が妙だった。「独島はどっちのものなの?」、(W君に向かって)「あなた伊藤博文を殺した安重根に似ている」などと挑発的だった。しかも、僕の歌う「運動圏ソング」(学生運動家および経験者たちが好んで歌う歌)は、完璧に歌えるのである。やっぱり、テベクと「太白山脈」とは無関係ではなかったのか。


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by mihira-ryosei | 2006-08-24 22:02 | 韓国なんでも