オギヨディオラは韓国の舟漕ぎの掛け声。1958年生まれのオヤジが趣味という数々の島々をたゆたいながら人生の黄昏に向かっていく


by mihira-ryosei
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Q-Chews LIVE in 和音堂 09.1.11


 
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素人、しかも50歳を超えたものが、バンドなんぞをつくって、こともあろうにライブなんぞを開催したらどうなるか。
 たとえば、京都・大阪のメンバーで構成されているバンド・Q-Chewsのリードボーカル・サイドギター担当のI(50)のライブ三日前はどうか。彼は、09年1月11日のライブを控え、緊張と期待の年末年始を過ごした。冬の休暇も、ボイストレーニングこそ、家族の迷惑顧みず毎日20分やったが、思ったほど練習ははかどらなかった。当日は、「MOMOKO CLUB」でも、中学の同級生のMOMOKOさん(50)のサポートで演奏することになっており、それが5曲。Q-Chewsは9曲やることになっている。大変なのだ。なのに、妄想だけがたくましい。自作の曲に酔いしれる観客を想像しては悦に入ったかと思えば、演奏や歌よりも話し声が大きい風景が浮かんできては悲嘆にくれる・・・そんな毎日を過ごしている。いい年をしてまるで馬鹿である。

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 最後の練習は1月4日。みんななんとなく硬いものの、ライブは3回目とあって「いけそうな」感じもしている。でも今回は単独ライブなのだ。会場キャパは40名でほぼ埋まりそうである。半分が中学の同級生(出演者は全員豊中第9中学同窓生なのだ)、残り半分がそれぞれのメンバーの友達、同僚である。Iは、初ライブで花束をもらいみんなから羨ましがられたことで、よせばいいのに、今度も祇園のCちゃん、それにEちゃんまで呼んでしまっている。年のわりに馬鹿としかいいようがない。
 3日前、木曜日は仕事を終え、とっとと帰宅し、額に汗を浮かべ練習にとりくんだ。達成感があった。立派である。しかし、2日前、金曜日、不安に駆られたIは練習できる時間があるにもかかわらず、へらへらと若い同僚を誘って食事にいき、二次会を断られると、祇園に向いCちゃん、Eちゃん相手に気をまぎらわせ、酩酊し、さらに、馴染みのバーに行き、マスターやピアニストに、だらだらと自慢と自嘲を繰りかえし、深夜店をあとにした。最低である。50男のやることではない。前日、土曜日これではいけないとメンバーで、リードギター担当のT(49)の経営するスタジオに行き夕方まで必死で練習に打ち込んだのである。まるで試験前日の中学生と変わらない。その夜、帰宅したIは余裕の時間を過ごしたと言っているが、本当は何をしていたのか思い出せないのである。
 

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 当日、リハーサル中に、バーのマスターが、ラム酒のボトルを持って来てくれた。この間よほど心配をかけたに違いない。
 会場は満員。開演まで、懐かしい友の馬鹿話を漏れ聞きながら、Iは控室で天井を見ていた。
 ライブは、始まってしまえばそれまでで、進むしかないのだ。MOMOKO CLUBは、ピアノとアコースティックギターの世界。IとTがギターで参加。1曲目、「夜空には満月」、Iは自身が作曲した曲のギターのイントロでトチッてしまったが、あとはなんとか足を引っ張らずに済んだと思う。MOMOKOのボーカル、長足の進歩、感動的である。
 Q-Chews登場。Iは1曲目、ビートルズの「I Saw Her Standing There」に賭けていた。ここで一気に走るぞという気構えだった。はじめの歌詞、She was just seventeen~の teenが、音程も伸びもうまく行った。これでいける! 後日、リーダギターのTが同じ事をいっていた。凄い奴や。あとは、Oceanlane の「Walk along」、初ライブでもやった自作の「同窓会で」と続き、初披露のオリジナル新曲「Dark Black Night Rots Away」で、いったん退いて、急きょ結成された東京の同級生コンビのステージ。日本を代表するCFディレクターN(50)、元アイドル歌手Y(50)が来てくれたのだ。語りも、歌も流石。観客を惹きこむ魔力を感じる。Iは後半を想像して、また不安になる。

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 確かに後半、プロの雰囲気に呑まれたのか、バンド全体が、チューニングが決まらない、リズムが走るなど、やや厳しかった。でも、オリジナル「月光の河」、Ellegardenの「Insane」、ラストのオリジナルの「君が15歳の」まで、やりとげた。「君が15歳の」は、06年7月、みんなは33年ぶりの再会を果たした同窓会のときに、大阪のコピーライターT(50)の詩にIが曲をつけたもの。このことがきっかけで、Q-Chewsも結成された。思いで深い曲なのだ。今回、リズムを三拍子に変えるなど演奏を一新して臨んだ。自分でつくったにもかかわらずボーカルとしては最も難しい曲である。結果は・・・わからない。でも、歌っていた。
 最後、生意気にもアンコールにとっておいたビートルズの「Get Back」は、そもそもアンコール・シーンをどうふるまっていいかわからず、オロオロしているメンバーを見るに見かねて、NとYがアンコール動作を何度もやり直しさせるなどの盛り上がりをはかってくれた。
ありがとう、ありがとう、花束を受け取ってから、騒然とした中で、後片付けをして、打ち上げに行って、朝まで・・・・。朦朧として、あまりにも朦朧として。
 Q-Chews、キーボードとギターを担当したバンドのマドンナ・KUBOTTI(49)、少年ジャンプを並べて練習していたドラム担当のF(50)、同僚がたくさん来ていたベース担当のS(50)、なんでもこなすダビンチ・リードギター担当のT(49)、そして、I。
 ライブが終わってからも、振り返っては、自慢と自嘲、自信と不安の日々は続いている。同級生はじめたくさんの励まし、楽しかったというメールをもらった。よくもまあ下手なバンドを聴きに来てくれたものだ。

 ライブの翌日、Iのmixiにメッセージが届いた。「Q-Chewsのリードボーカルやってはる方ですよね」からはじまるメールは、ベースのSの知り合いの20代の女性だった。
 「本当によかったです。みなさんの仲の良さとか、人間臭さとか、楽しそうでイキイキする姿に私たち3人は「ああいう年の重ね方したいよな」と語り合ったくらいです。もちろんサウンドも好みです。はっぴいえんどや吉田拓郎、それこそマージービート~メロディパンクの中間みたいな感じかなあ・・・」
 
 有頂天になったIがまた我を忘れて、夜の街に飛び出していったことは、間違いのないことである。DVDまでつくっちまった。馬鹿まるだしである。

 みなさん、ありがとうございました。
 夏前にはまたライブやります。よろしく!!

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by mihira-ryosei | 2009-01-25 23:55 | Q-Chews